人間なので無駄なことをしたい
浴衣を着て花火大会に行き屋台で買ったりんご飴とか片手に人混みの中彼に手を引かれたい、ということをうまく伝えられなかった。
正しくは自分がそれをそんなにも強く望んでいると気がついていなかった、ので、伝えようとしなかった。
でもネタみたいにそのことをツイートしてみたりする。そしたらお前それ我慢してんじゃねえよと叱られた。ありがとう。
我慢していたらしい。
彼は暑いのも混雑しているのも待つのも嫌いで、花火大会にあまり積極的でないことがわかったので、私もそんなにだなと思うことにしていたらしい。
でもほんとは行きたかったんだよね。
前に着物を着ていったとき、似合うねと言ってくれたから、浴衣もきっと褒めてくれると思ったんだよね。
毎年この時期梅田に溢れてるカップルのひとつになってみたかったんだよね。
彼らがそうしているように、漫画の定石のように、ありきたりな感情や行動、やってみたかった。
コストパフォーマンスだけ考えればやる価値ほとんどないようなこと、一緒にして欲しかったんだよね。
私は人間なので無駄なことをしたい。
なにひとつ合理的でないこと、一緒に付き合ってほしい。
頻繁じゃないタイミングでチョコレートをもらいたい。
他の女の子がかわいいと私は口にするけど、あなたにはそのたびに君のがかわいいけどねと言ってほしい。
無駄だとわかっているから望みづらく、主張しづらく、だから言わなくってもわかってよと更に非合理と理不尽を上乗せしている。
わがままは叶えてくれるに飽き足らない。
そこに嫌悪感や面倒臭さなんて一切感じさせないでほしい。
こうしてみると高度なことをどれだけ求めているのかよくわかる。
そういうのにぴたりと、はまってくれるのがとてもとても嬉しかったので、私はモンベルへ行ってトレッキングウェアにお金を使うし、睡眠時間は全然ないけど凝ったお弁当を作って持っていきました。