日々になる
東京が日々になりつつある。
結婚式が終わりこれから遊べると思った矢先にコロナがやってきてお金と時間の使い方を持て余し、4000円の砥石を買ってしまった。
夫は家でずっとゲームをしていて、私は外へ出て遊べないのにあきてしまった。
部屋に閉じこもってゲームをしている夫に、激しい寂しさはあるかというとそんなでもなくなってきた。
各々の時間の過ごし方をなんとなくわかってきて私はときおり構ってほしいのでゲームしている隣に座る。夫はなんとなくこちらをみたりなんとなく足の指をいじったりしてなんとなく私の機嫌をとる。
先日の話し合いが功を奏して家事はわりかしいい感じで回るようになりはじめた。
料理の手の抜き方などが多少掴めるようになってきた一方、夫は私が忙しいと、私のぶんまでコンビニのご飯を買って帰ってくる。連日にならない限りありがとうと言って食べる。私はこれを愛と呼ぶようになった。
最寄り駅から電車に乗る、各駅停車の座席に、大和路線を感じはじめて、私はもうすぐ教師をやめて、また新しい仕事をはじめて、それですこし元気がないことを夫は知っていて、気にしていて、それですこし私のほうをみる。
東京が日々になり、夫は夫になり、コロナはなんとなく大丈夫な空気になってきている。
週末、新しい机を買いに出かける約束をした。